391年 倭が朝鮮半島に侵攻する [年号のゴロ合わせ]
昨日は、邪馬台国に新たな女王として壹与が誕生したところまでお話ししました。
その壹与とおぼしき女王が、266年に中国の晋へ使者を派遣したことが『晋書』には記されています。
しかし、そのあと約150年にわたって、中国の歴史書から倭の記述は姿を消します。
この時期を「空白の150年」と言ったりしますが、中国の歴史書に記載されていないだけで、
もちろん倭では色んなことが起こっています。
弥生時代から古墳時代への過渡期、そしてヤマト政権の成立です。
さて、「空白の150年」の間の倭の様子を伝える唯一の文献史料が
今日取りあげる「好太王(広開土王)の碑文」です。
高句麗の王であった好太王の功績を刻んだ大きな大きな石碑で、
彼の息子である長寿王(ちょうじゅおう)が、父の死後に鴨緑江(おうりょくこう)のほとりに建立しました。
この石碑のある場所がたいへんややこしい。
高句麗といえば朝鮮半島の北部を支配した強大な国。
ということで、この石碑は現在の北朝鮮にあるのでは…と思いがちですが、
実は中国吉林省(きつりんしょう)の集案市(しゅうあんし)というところにあります。
ここはかつて高句麗の都である丸都(がんと)という場所でした。
すなわち高句麗は、朝鮮半島北部と、現在の中国の一部に支配領域を広げていたのです。
4世紀ごろの朝鮮半島の様子は以下の通りです。
では、この石碑にはいったい何が書かれているのでしょう。
百残(〔1 〕のこと)・〔2 〕は旧(もと)是(これ)属民なり。由来朝貢す。而(しか)るに倭、辛卯(しんぼう)の年よりこのかた、海を渡りて百残を破り、〔2 〕を□□し、以て臣民と為す。
短い引用ですが、空欄に入る言葉は分かりますか?
1…百済(馬韓(ばかん)諸国を統一して成立、「バカはクダラん」で覚えましょう)
2…新羅(辰韓(しんかん)諸国を統一して成立)
この碑文を見ると、百済と新羅はもともと高句麗の属民であったようです。
しかし、倭が辛卯の年(391年)に海を渡って朝鮮半島に侵攻し、
百済を破り、新羅を□□(解読不能の2文字)し、臣民としてしまった、と書かれています。
そして、南下する高句麗と倭が交戦したようです。
かつて、戦時中に日本軍が碑文を改ざんしたという説も浮上しましたが、
現在では否定されています。
ということで、今日のゴロ合わせ。
なんにせよ、このとき倭は高句麗の騎馬軍団との戦いから、騎馬技術を学んだようです。
それでは、今日はここまで☆
その壹与とおぼしき女王が、266年に中国の晋へ使者を派遣したことが『晋書』には記されています。
しかし、そのあと約150年にわたって、中国の歴史書から倭の記述は姿を消します。
この時期を「空白の150年」と言ったりしますが、中国の歴史書に記載されていないだけで、
もちろん倭では色んなことが起こっています。
弥生時代から古墳時代への過渡期、そしてヤマト政権の成立です。
さて、「空白の150年」の間の倭の様子を伝える唯一の文献史料が
今日取りあげる「好太王(広開土王)の碑文」です。
高句麗の王であった好太王の功績を刻んだ大きな大きな石碑で、
彼の息子である長寿王(ちょうじゅおう)が、父の死後に鴨緑江(おうりょくこう)のほとりに建立しました。
この石碑のある場所がたいへんややこしい。
高句麗といえば朝鮮半島の北部を支配した強大な国。
ということで、この石碑は現在の北朝鮮にあるのでは…と思いがちですが、
実は中国吉林省(きつりんしょう)の集案市(しゅうあんし)というところにあります。
ここはかつて高句麗の都である丸都(がんと)という場所でした。
すなわち高句麗は、朝鮮半島北部と、現在の中国の一部に支配領域を広げていたのです。
4世紀ごろの朝鮮半島の様子は以下の通りです。
では、この石碑にはいったい何が書かれているのでしょう。
百残(〔1 〕のこと)・〔2 〕は旧(もと)是(これ)属民なり。由来朝貢す。而(しか)るに倭、辛卯(しんぼう)の年よりこのかた、海を渡りて百残を破り、〔2 〕を□□し、以て臣民と為す。
短い引用ですが、空欄に入る言葉は分かりますか?
1…百済(馬韓(ばかん)諸国を統一して成立、「バカはクダラん」で覚えましょう)
2…新羅(辰韓(しんかん)諸国を統一して成立)
この碑文を見ると、百済と新羅はもともと高句麗の属民であったようです。
しかし、倭が辛卯の年(391年)に海を渡って朝鮮半島に侵攻し、
百済を破り、新羅を□□(解読不能の2文字)し、臣民としてしまった、と書かれています。
そして、南下する高句麗と倭が交戦したようです。
かつて、戦時中に日本軍が碑文を改ざんしたという説も浮上しましたが、
現在では否定されています。
ということで、今日のゴロ合わせ。
なんにせよ、このとき倭は高句麗の騎馬軍団との戦いから、騎馬技術を学んだようです。
それでは、今日はここまで☆
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