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古墳時代(4) [まとめプリント]

3回にわたって前期古墳・中期古墳・後期古墳の特徴をそれぞれ見てきました。
今日は、古墳時代の人々の生活を見ていきましょう。



古墳4.jpg

古墳時代になると、支配者と被支配者の生活がくっきり分かれていきます。

前者である豪族は、まわりに濠や柵をそなえた立派な家に住みました。
ここは生活の場であり、また政治をおこなう場でもあったようです。
一方、後者である民衆は相変わらず竪穴住居に住んでいます。
まだ竪穴住居に住んでいるのか…と思うかもしれませんが、実はちょっとだけ進化しています。
縄文時代には、竪穴住居の真ん中に簡単な炉をつくって調理などをしていましたよね。
しかし、古墳時代になると、竪穴住居の隅にかまどが作られるようになり、
調理の際に出る煙がそのまんま屋外に出せるようになりました。

また、食事などに使用される土器にも変化が見られます。

弥生土器の流れをくむ土師器(はじき)、そして朝鮮半島の流れをくむ最新式の須恵器(すえき)の登場です。
土師器は弥生土器の流れをくむ、ということは…?
何色をしているか分かりますね??
もちろん赤褐色です。
須恵器は、斜面を利用して築いた登り窯(のぼりがま)をつかって高温で焼き上げたもので、灰色です。

次に、古墳時代の人々の信仰、まずは農耕儀礼を見ていきましょう。
春には、一年間の豊作を祈って祈年祭(としごいのまつり)がおこなわれ、
秋には、一年間の収穫を感謝して新嘗祭(にいなめのまつり)がおこなわれます。
書きにくいし読みにくいし大変な語句ですが、頑張って覚えてくださいね。

ちなみに、新嘗祭は現在も天皇陛下によって毎年11月23日に宮中で執り行われています。
ご自身で皇居内の水田に田植えをされ、また秋には稲刈りをされて新嘗祭で使用されるそうです。
この日は勤労感謝の日なので、学校はお休みですね。
なお、天皇が即位した年におこなわれる新嘗祭は、とくに大嘗祭(だいじょうさい)と呼びます。

他の信仰を見ていきましょう。

アニミズムの流れで、古墳時代もいい形をした山や、高い木、巨大な岩などを信仰の対象としたようです。
例えば、奈良県の大神(おおみわ)神社は、三輪山(みわやま)というきれいな山をご神体としています。
また、九州と朝鮮半島の中間地点にある沖ノ島には、沖津宮(おきつのみや)という神社がありますが、
島全体をご神体と考えるようです。
沖ノ島は、現在も女人禁制(にょにんきんせい)が守られている世界でもたいへん珍しい島です。
4~9世紀の祭祀遺跡や遺物もたくさん残っており、「海の正倉院」なんて呼ばれています。
つい先日、沖津宮をふくむ宗像大社は、平成29年の世界文化遺産登録を目指す候補地となりました。
「宗像・沖ノ島と関連遺産群」が世界文化遺産になる日は近いかもしれませんね…楽しみです。

それにしても、古墳時代に信仰の対象となった場が、現在も神社として信仰されているとはすごいですよね…

大王家の祖先神とされる天照大神(あまてらすおおみかみ)をまつる伊勢神宮内宮(ないくう)や、
大国主命(おおくにぬしのみこと)をまつる出雲大社もこのころにはすでに信仰の場となっていたようです。
いずれも最近、式年遷宮(しきねんせんぐう)がおこなわれたので、ニュースなんかでよく目にしたのではないでしょうか。
式年遷宮とは、定期的にご神体を移動して、すべての建物を新しく建て替えることです。
伊勢神宮は20年に1度、出雲大社は60年に1度なのですが、
2013年は伊勢神宮と出雲大社が同時に式年遷宮を迎えるということで、話題になりましたよね。

次に古墳時代における呪術的風習を見ていきましょう。

心身のケガレを海や川などで洗い清め流すことを禊(みそぎ)と言い、
また、水以外の方法でケガレを除くことを祓(はらえ)と言います。
前者は瀧に打たれる修行を、後者は神社で祝詞(のりと)などでお祓いをしてもらう様子、これらを想像して下さい。
それから、鹿の骨や亀の甲羅を焼いてできたひび割れで吉凶を占う太占(ふとまに)の法、
真偽を明らかにするため熱湯に手をつっこませて火傷ができるかどうかを見る盟神探湯(くかたち)があります。
指紋採取も防犯カメラも時代、こんな恐ろしい方法で犯人を挙げていたのですね…
普通…火傷するでしょ…無茶しますな…

最後に大陸文化の受容です。

このころ、大陸の先進技術を携えた人々が日本にやってきます。
いわゆる渡来人ですね。
弓月君(ゆづきのきみ)・阿知使主(あちのおみ)・王仁(わに)などの名前が伝わっています。
彼らの子孫は日本に住み、それぞれ秦(はた)・東漢(やまとのあや)・西文(かわちのふみ)という氏を名乗りました。

ヤマト政権は、この先進技術をもつ渡来人たちを品部(しなべ)という技術者集団に組織しました。
錦織部(にしごりべ)・韓鍛冶部(からかぬちべ)・陶作部(すえつくりべ)などです。
漢字と読み方に注意してくださいね!

また、漢字も伝来しています。
478年のゴロ合わせでもチラっと登場した稲荷山古墳出土鉄剣・江田船山古墳出土鉄刀のほか、
石上神宮七支刀や隅田八幡(すだはちまん)神社人物画像鏡などがあります。

古墳4解答.jpg

それでは、今日はここまで☆



次回は古墳時代のラスト、氏姓制度を取りあげます。

画像出典
http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0005081
http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0010484
http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/E0048599
http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0062230
http://www.sakitama-muse.spec.ed.jp/?page_id=331
http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0035194
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%85%E7%94%B0%E5%85%AB%E5%B9%A1%E7%A5%9E%E7%A4%BE%E4%BA%BA%E7%89%A9%E7%94%BB%E5%83%8F%E9%8F%A1
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