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672年 壬申の乱が起こる [年号のゴロ合わせ]

前回は、中大兄皇子が近江大津宮でやっとこさ即位したところまでお話しました。
彼の天智天皇としての功績は、後日まとめプリントでご紹介したいと思います。



その天智天皇には、優秀な弟がいましたよね。
大海人皇子(おおあまのおうじ)です、ダイカイジンとかっこよく読まないで下さい…

大海人皇子は、舒明天皇を父に、皇極(斉明)天皇を母にもつので、
兄の天智天皇とはまったくの兄弟ということになります。
奥さんは鸕野讃良(うののさらら)、のちの持統(じとう)天皇です。
彼女の父は天智天皇なので…お父さんの弟に嫁いだということになりますね。
現代の感覚からしたら「ウワァ…」ですナ。

さてこの大海人皇子、文武両道でたいへんすぐれた人物であったようです。
周囲からも「次の天皇は大海人さんでしょー!!」って噂されるくらい信頼されていたとか。
『日本書紀』には、天智天皇から次の天皇になることを約束されていた、と書かれているようです。
まぁその『日本書紀』は大海人皇子の息子である舎人親王(とねりしんのう)が中心になって書いたので、
どこまで本当かは分かりませんが…

一方、天智天皇にはかわいいかわいい息子がいました。
大友皇子(おおとものおうじ)です。

天智天皇からすれば、弟よりも我が子の方が断然かわいいわけです。
次第に、天皇の座をかわいい我が子に譲りたい…と思うようになります。
よくある「弟よりも我が子に!」パターンですね…応仁の乱もそうです。

そこで天智天皇は、新たに「太政大臣(だじょうだいじん・だいじょうだいじん)」という役職を設けて我が子を任命し、
自らの補佐をさせました。
もう明らかに大友皇子を天皇にしたい気まんまんなわけです。
頭のいい大海人皇子はすぐにピンときます…「オレ、めっちゃ邪魔者やん…」と。

天智天皇は、「邪魔者は消す」というタイプの人です(どんなタイプだよ…)。
たとえば蘇我入鹿を殺害しましたし、義理の父である蘇我倉山田石川麻呂も自殺に追い込みました。
孝徳天皇の息子の有間皇子(ありまのみこ)も処刑しています、彼にとってはイトコなんですけどね。
んー…こりゃ実の弟とはいえ、自分も消されるんじゃないか…と、そりゃ大海人皇子は思いますよね。

そのころ、天智天皇の病が悪化します。
大海人皇子は「お兄ちゃんの病気が治るように…私は仏様につかえます!!」と出家してしまいました。
剃髪(ていはつ)した大海人皇子は、身内をしたがえて奈良の吉野に入ります。
近江から逃れたわけです。

そしてついに、近江大津宮で天智天皇は亡くなります。
父の後を継いで大友皇子が政務を執りますが、即位したかどうかは定かではありません。
のちのち明治天皇から弘文(こうぶん)天皇という名は贈られています。

大友皇子にとって、厄介なのは人気者の大海人皇子が吉野にいることです。
オジサンに対抗するため、天智天皇のお墓を作るという名目でどんどん近江に武器を集めたようです。

これを知った大海人皇子はついに挙兵します。
吉野を出て伊勢神宮を参拝し、美濃を本拠地として東国の兵を集めることに成功します。
大化改新で特権を失うなどして近江の政治に不満をもっていた地方豪族たちが、
続々と大海人皇子の軍勢に加わったのです。
なお、ここでいう東国とは、のちの尾張・美濃以東の東海道・東山道一帯のことです。

これを迎え撃つ大友皇子ですが、大海人皇子の勢いに圧倒され、
最後はわずかの家来しか連れず、自害したようです…
672年におこったこの壬申の乱は、大海人皇子の大勝利に終わりました。

大海人皇子はすぐさま飛鳥浄御原宮(あすかきよみはらのみや)に都を遷し、即位しました。
天武(てんむ)天皇の誕生です。
彼は、戦争というものを通じて初めて実力で皇位を手にした天皇です。
自らの権威の強化につとめ、これまでの「大王」にかわり、はじめて「天皇」の称号を用いたといいます。
あれ?推古天皇も天智天皇も「天皇」って呼んでるじゃないか!と思いますよね。
これらはすべて720年に成立した『日本書紀』にそう書かれているからです。
「天皇」の称号を用いたのは天武天皇が最初のようです。
天武天皇はさらに天皇を神格化します。

672.jpg

そして、大臣をおかずに皇族たちで政治をおこなう皇親(こうしん)政治をすすめました。
強大な権力を手にした天武天皇を中心に、中央集権国家体制の形成がグングン進んだわけです。

それでは、今日のゴロ合わせ☆

672年.jpg



次回は、天武天皇の奥さんである持統天皇の時代を見ていきます。
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みずかがみ

兄さん!オレ大海人!
by みずかがみ (2022-07-06 09:06) 

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