711年 蓄銭叙位令を制定する [年号のゴロ合わせ]
前回は、和同開珎についてお話ししました。
ではこの和同開珎、一体どれほど流通したのでしょうか…
我々は、「お金でモノを買う」社会のなかに生きています。
お店で欲しいモノを見つけると、お金と交換してそれをゲットするわけです。
しかし、その「お金」自体に価値はあるでしょうか…?
一万円札って、すごい技術を駆使して印刷されてはいますけど、
よく考えてみるとあの紙自体に一万円分の価値なんてありませんよね。
みんなが「この紙には一万円分の価値がある」と信用するから、
一万円札は一万円分の価値がある紙として日本で通用しているのです。
では、物々交換しかおこなわれていなかった時代に、いきなり和同開珎なる貨幣が現れたら…?
たとえば、大根が欲しくて自分の持っているお米と交換した人がいたとしましょう。
大根には大根の、お米にはお米の、それぞれ食べ物としての価値があるので、
ここでは交換が成立したわけです。
そこに何だかよくわからない穴のあいた丸い小さなものを持った人が現れて、
「これはお金だ、その大根と交換してくれ」と言います。
ん?なんすかそれ??食べられるんすか???
つまり、物々交換しか知らない人々に、お金というものを浸透させるのは大変なことなのです。
和同開珎が流通したのは都の周辺くらいで、なかなか地方には広がらなかったようです。
でも朝廷としてはせっかく和同開珎つくったんだし、もっともっと流通させたいわけです。
そこで元明天皇は、711年に蓄銭叙位令(ちくせんじょいれい)を定めました。
「叙位(じょい)」とは位階(いかい)を授けることです。
すなわち、お金を蓄えて朝廷に献上したら位階を授けるよ!!という制度ができたのです。
お金を蓄えようと思ったら、モノを売ってお金にかえなければなりません。
高い位が欲しい都の有力者たちは、どんどんモノをお金にかえて貯蓄し、それを朝廷に献上します。
さらに、地方に住む有力者たちも都にやってきて、同じようなことを繰り返します。
こうして都だけでなく、地方にもお金というものが広がっていったのでしょう。
でもこれって矛盾してるようにも思えますよね…
蓄えちゃったらお金流通しないじゃん!です。
ということで、800年に蓄銭叙位令は廃止されました。
和同開珎ののち、朝廷は銭貨の鋳造を続けます。
全部で12種類鋳造したので、まとめて皇朝十二銭(こうちょうじゅうにせん)と呼びます。
本朝十二銭(ほんちょうじゅうにせん)という場合もあります。
これらをすべて列記してみましょう。
①和同開珎
②万年通宝(まんねんつうほう)
③神功開宝(じんぐうかいほう)
④隆平永宝(りゅうへいえいほう)
⑤富寿神宝(ふじゅしんぽう)
⑥承和昌宝(じょうわしょうほう)
⑦長年大宝(ちょうねんたいほう)
⑧饒益神宝(じょうえきしんぽう)
⑨貞観永宝(じょうがんえいほう)
⑩寛平大宝(かんぴょうたいほう)
⑪延喜通宝(えんぎつうほう)
⑫乾元大宝(けんげんたいほう)
こういうのは最初と最後をおさえておきましょう。
最初はもちろん和同開珎で、最後は村上天皇の時代に鋳造された乾元大宝です。
この後、国内での貨幣鋳造はしばらく行われず、宋銭や明銭といった中国銭を使用する時代が続きます。
それでは、今日のゴロ合わせ☆
次回からしばらく、古代に成立した書物に関するゴロ合わせを見ていきます。
ではこの和同開珎、一体どれほど流通したのでしょうか…
我々は、「お金でモノを買う」社会のなかに生きています。
お店で欲しいモノを見つけると、お金と交換してそれをゲットするわけです。
しかし、その「お金」自体に価値はあるでしょうか…?
一万円札って、すごい技術を駆使して印刷されてはいますけど、
よく考えてみるとあの紙自体に一万円分の価値なんてありませんよね。
みんなが「この紙には一万円分の価値がある」と信用するから、
一万円札は一万円分の価値がある紙として日本で通用しているのです。
では、物々交換しかおこなわれていなかった時代に、いきなり和同開珎なる貨幣が現れたら…?
たとえば、大根が欲しくて自分の持っているお米と交換した人がいたとしましょう。
大根には大根の、お米にはお米の、それぞれ食べ物としての価値があるので、
ここでは交換が成立したわけです。
そこに何だかよくわからない穴のあいた丸い小さなものを持った人が現れて、
「これはお金だ、その大根と交換してくれ」と言います。
ん?なんすかそれ??食べられるんすか???
つまり、物々交換しか知らない人々に、お金というものを浸透させるのは大変なことなのです。
和同開珎が流通したのは都の周辺くらいで、なかなか地方には広がらなかったようです。
でも朝廷としてはせっかく和同開珎つくったんだし、もっともっと流通させたいわけです。
そこで元明天皇は、711年に蓄銭叙位令(ちくせんじょいれい)を定めました。
「叙位(じょい)」とは位階(いかい)を授けることです。
すなわち、お金を蓄えて朝廷に献上したら位階を授けるよ!!という制度ができたのです。
お金を蓄えようと思ったら、モノを売ってお金にかえなければなりません。
高い位が欲しい都の有力者たちは、どんどんモノをお金にかえて貯蓄し、それを朝廷に献上します。
さらに、地方に住む有力者たちも都にやってきて、同じようなことを繰り返します。
こうして都だけでなく、地方にもお金というものが広がっていったのでしょう。
でもこれって矛盾してるようにも思えますよね…
蓄えちゃったらお金流通しないじゃん!です。
ということで、800年に蓄銭叙位令は廃止されました。
和同開珎ののち、朝廷は銭貨の鋳造を続けます。
全部で12種類鋳造したので、まとめて皇朝十二銭(こうちょうじゅうにせん)と呼びます。
本朝十二銭(ほんちょうじゅうにせん)という場合もあります。
これらをすべて列記してみましょう。
①和同開珎
②万年通宝(まんねんつうほう)
③神功開宝(じんぐうかいほう)
④隆平永宝(りゅうへいえいほう)
⑤富寿神宝(ふじゅしんぽう)
⑥承和昌宝(じょうわしょうほう)
⑦長年大宝(ちょうねんたいほう)
⑧饒益神宝(じょうえきしんぽう)
⑨貞観永宝(じょうがんえいほう)
⑩寛平大宝(かんぴょうたいほう)
⑪延喜通宝(えんぎつうほう)
⑫乾元大宝(けんげんたいほう)
こういうのは最初と最後をおさえておきましょう。
最初はもちろん和同開珎で、最後は村上天皇の時代に鋳造された乾元大宝です。
この後、国内での貨幣鋳造はしばらく行われず、宋銭や明銭といった中国銭を使用する時代が続きます。
それでは、今日のゴロ合わせ☆
次回からしばらく、古代に成立した書物に関するゴロ合わせを見ていきます。
蓄銭叙位令について調べていたら、こちらのサイトにたどり着きました!
イラストが面白くてわかりやすくてとても参考になります。
リクエストなのですが、是非、資料についてのブログを書いていただけないでしょうか・・・!(日本書紀、万葉集、続日本書紀etc...)
くくりが広くてすみません、、、もしよろしければ、よろしくお願いいたします!
by 受験生 (2016-05-29 13:05)
日本書紀は記事がありましたね、、、すみません。
by 受験生 (2016-05-29 14:02)
コメント、ありがとうございます!
『古事記』・『風土記』・『日本書紀』についてはゴロ合わせとともにアップしておりますので、参考にしていただけたら嬉しいです★
のろのろ更新のブログですが、ほかの史料についてもおいおい触れていきたいと思っております。
今後ともよろしくお願いします。
受験、頑張ってくださいね!
by 春之助 (2016-05-30 22:31)
私の確認不足でした、すみません(^_^;)
春之助さんのゴロ合わせ、イラストもかわいいですし文章もわかりやすくて本当に覚えやすいです!
今後も更新待ってます(^-^)
by 受験生 (2016-05-31 13:52)
いえいえ、嬉しいコメントありがとうございます!
励みになります☆
by 春之助 (2016-05-31 23:32)
語呂合わせわかりやすいしイラストも面白いです!
by T (2020-07-10 15:57)
T様
嬉しいコメントありがとうございます!
のろのろ更新のブログですが、今後ともよろしくお願いいたします☆
by 春之助 (2020-07-11 21:34)